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セッションハウス スタッフブログ 【スタッフより。】

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リトアニアのダンス・フェス:日本勢のダンスに拍手喝采

先頃リトアニア第2の都市カウナスで行われた「AURA DANCE FESTIVAL」に、日本から4組のダンサーが招待され、私もディレクターとして随行して、特別プログラム「JAPNESE DANCE EVENING」でソロ3作品とデュオ1作品を披露してきました。

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このフェスティバルは27回目となる歴史を持つ欧州ではよくダンスの祭典です。リトアニアはバルト3国の最南端に位置する人口300万に満たない国ですが、周辺のロシアやドイツなどの大国に翻弄され続けてきた小国で、それだけにアイデンティティを確かなものにするために文化の高揚に力を注いでいます。
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今回のフェスティバルにはヨーロッパ各国やイスラエルからの他、アジアから私たちの4組が招待されました。フェスティバルは105日から8日までの4日間に5つの劇場に分かれて9公演が行われましたが、オープニング・ショウではフェスティバルを主宰する芸術監督Birute Letukaiteさんらが振付けた2作品が上演され、幕開けから迫力あるダンスで観客を魅了、そのダンサーの中心には11月に「ダンスブリッジ」に来日出演するEma Senkuvieneさんの姿があったことも嬉しいことでした。
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また、日本勢の公演の前哨戦として、前日の朝リトアニア国営放送テレビのニュース・ワイド・ショーに、フェスティバルの芸術監督のBiruteさんらと共に柿崎麻莉子が代表として出演してダンスを披露、公演の告知するという思いがけない出来事もありました。
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そして3日目の107日の夜「JAPNESE DANCE EVENING」は小劇場Ruta Hallで開かれました。参加したダンサーはいずれもセッションハウスでも度々踊ってきたお馴染みの面々。立ち見も出る満席となり、リトアニア駐在の重枝豊英大使の熱のこもった紹介挨拶から期待にみちた空気が流れるオープニングとなりました。
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演目順に日本のダンサーたちの舞台をご覧ください。
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                 鈴木竜『BU』
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三東瑠璃『MATOU』
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笠井瑞丈・小暮香帆『DUO
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柿﨑麻莉子『≫GUNNGUNN』(振付:平原慎太郎)

初めて見る日本の個性豊かな若者たちのダンスに見入っていた客席からは、作品が終わるごとに熱い拍手喝采が贈られたのでした。
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タイトな舞台準備のスケジュールでしたけれど、リトアニアのスタッフの心のこもった協力で、ダンサーたちはよく頑張ったなあと思います。
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大学で日本語を勉強している2人の女学生がボランティアで日本チームの案内役として親身になって世話してくれたことも、嬉しいことでした。
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また、会期中には公演の他に、それぞれのメソッドを伝えるワークショップも行われ、ダンサー同士が交流しあういい機会ともなりました。
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暖かな空気の流れるフェスティバルでしたが、リトアニアは大国の狭間で何度も国が消滅するという複雑な歴史を持っています。1991年に流血の惨事の後やっとソビエトからの独立を勝ち得たのでしたが、作品の中にその過酷な時代の記憶のデリケートな問題に触れるようなシーンがあったことから、舞台裏では賛否両論の議論が起きるという騒ぎもありました。国際交流にあたってはそれぞれの国や人々の歴史をよく知ることの大切なことを改めて思い知らされる出来事でした。
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リトアニア国営放送入り口に貼られた1991年独立時のレジスタンス記念プレート

この後、リトアニアとの相互交流プロジェクトとして、114日、5日の「ダンスブリッジ・インターナショナル」近藤良平プロジェクトに、先に紹介したEmaさんと男性ダンサーがやって来て、近藤良平・西山友貴・四戸由香、鈴木ユキオ・笠井瑞丈と競演します。これは文字通り東西にブリッジを架ける見応えたっぷりの合同公演になることでしょう。お見逃しなきよう、ご注目下さい。(記:伊藤孝)


by sh_offstage | 2017-10-15 22:36 | Comments(0)
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