ブログトップ

セッションハウス スタッフブログ 【スタッフより。】

fromstaff.exblog.jp

<   2011年 04月 ( 8 )   > この月の画像一覧

危機の中で生まれる連帯感

ジャン・ローラン・サスポーテスさんが日本にやって来ました。東日本大震災と原発事故が起きたため、滞在中だった香港から一度はドイツのヴッパタールに帰り、情勢の推移を見ていたのですが、このほど決意して来日したものです。

地震と津波のため破損した福島原発から漏れ出る放射能への恐れから、多くの外国人が日本を去り、来日を見合す人が続出、いくつものダンス公演やコンサートが中止となる事態となっています。ヨーロッパなどでは極端な例かも知れませんが、日本中が放射能まみれになっているような情報までが流布しているとのこと。放射能の恐ろしさは原爆体験のある私達日本人には身にしみているはずのものですが、海外の人々のそれを越えたあまりの過剰反応ぶりに接すると悲しくなってきます。さまざまな情報が飛び交っていて、何が正確な情報なのか見極めがつきにくいところがありますが、風評被害などの愚に陥ることなく出来るだけ冷静に情報を分析して“正しく恐れる”ことをしていかなければと思います。

そうした中で来日してくれたジャンさんの決意は、私達にとって大きな励ましになるものですが、先頃伝えられた日本文学研究者のアメリカ人ドナルド・キーンさんが被災者との連帯を示すため日本永住を決意したというニュースも、私達の気持を熱くしてくれるものでした。NHKのインタビューで「外資系の会社が社員を日本から呼び戻したり、野球の外国人選手が辞めたり、『危ない』と言われたりしているが、そういう時にこそ、私の日本に対する信念を見せる意味がある」と語ったというドナルド・キーンさん。

ジャンさんも言わずと知れた日本大好き人間。これからほぼ一ヶ月の滞在で、東工大・世界文明センターでの宮沢賢治企画やコントラバス奏者の齋藤徹さんらとのセッション、スタジオ“いずるば”での「気の道」WSなどさまざまなプログラムに参加、その皮切りとしてセッションハウスで連休中に行われる「神楽坂ダンス学校」にも登場し、5月1日と4日にダンスの基本を教えるWSをやってくださることになっています。そして8月には久々に再演するマドモアゼル・シネマの「東京タンゴ」公演には再び来日し、村長さんの役として出演します。乞うご期待!です。  (伊藤 孝)
d0178431_0464183.jpg
 ジャンさんとプログラム・ディレクターの伊藤直子

セッションハウスメインサイトはこちら⇒www.session-house.net
[PR]
by sh_offstage | 2011-04-29 00:55 | Comments(0)

さまざまな新学期

4月は新学期、子供たちが新たな気持ちで再スタートする季節です。
しかし、東北の被災地では大津波で大勢の子供たちの命が奪われた上に校舎を損傷した学校も多く、他の学校の教室を間借りするなどしてやっと新学期が始まったようです。教室でお互いの無事を確認して笑顔いっぱいの中に、ふとよぎる亡き友の思い出で涙する子供たち。
家族やクラスメートを失った子供たちの心の内を思うと胸が痛みます。

セッションハウスも4月は子供たちの季節です。
先週の日曜日から一昨日の土曜日と昨日の日曜日まで3日間にわたって
毎年恒例の尾本安代こどもバレエクラスの発表会が開かれ、
3歳から高校3年生までの子供たち69人が元気いっぱいに踊ってくれました。
被災地の厳しい状況とは比べるべくもありませんが、大きく揺れたあの日の体験とその後の不安な日々の連続は、東京の子供たちの心の中にも忘れがたい記憶や傷跡となって残っているようです。
お母さんたちが「地震があってから子供たちの行事が次々と中止になっていたので、バレエコンサートを予定通りに開いてくださってほんとうに良かったです」と語って下さっていたのが印象的でした。   (記:伊藤 孝)
d0178431_1364763.jpg


セッションハウスメインサイトはこちら⇒www.session-house.net
[PR]
by sh_offstage | 2011-04-18 01:48 | Comments(0)

「光と闇」の中から

一昨日は東日本大震災から1ヵ月。被災地の人達のこれからの道筋も見えない中、破損した福島原発は昨日、とうとうチェルノブイリ原発事故と同じレベル7という最悪の事態になってしまいました。

放射能被害がこれからどのような影響をもたらしていくのか、このニュースに暗澹たる気持ちになりながら、国立西洋美術館でレンブラントの絵を見てきました。「光と闇」の画家といわれる彼のモノクロームの版画を主体にした展覧会です。目をこらしてじっと見ていると暗闇の中からさまざまなものが立ち上がってくる世界。その作品の数々を見歩くうちに、節電で薄暗くなった町並みを歩いている時の情景が重なり合い、不思議にも心穏やかな気持ちになっていったのです。
計画停電に遭遇した友達の一人が言いました。「東京でこんなにきれいな星空が見えるとは」と。

使い放題に電気を使って光が氾濫する中で、「闇」の世界の魅力を忘れてしまっていた私達。そして、その電気の多くを原発に依存していたことを、知ってか知らずか頬かぶりをしてきた私達。いま一人ひとりが生きる姿勢を問われ始めているのです。
日本は果たして再び蘇ることが出来るのか?「復興」とはいえ、震災以前の暮らし方と同じようなものに戻ることであっては、同じ愚を繰り返すことになるでしょう。

「重要なのは復旧でなく“創世”というビジョン」(寺島実郎)、「価値観の転換を」(柳田邦男)、「成長信仰から脱却を。東洋のポルトガルも悪くない」(川北稔)、「求めるべきは安易な希望ではなく、新しい日本をつくる意思と知恵」(高村薫)・・・。根っこのところからの“発想の転換”が必要なことを説くさまざまな声も聞こえてきています。

そうした中、日曜日に行われ統一地方選挙の都知事選挙で、「東京が止まったら日本が止まる」として、原発は必要と言う候補者が圧勝(四選)したのには愕然としました。放射能の飛散を恐れ、買いだめに走った都民。いま広島、長崎に続く第三の被爆=被曝(厳密に言うと1954年の第五福竜丸事件を入れると第四の被曝)とも言える経験下にあるのに、脱原発への理解はまだまだ遠い道なのでしょうか?

その一方、原発が身近にある地域の県議選では、有権者は「福島の事態はひとごとではない」と悩みながら一票を投じたと伝えられています。出力が世界最大級と言われる原発(3号機)の増設計画が争点となった鹿児島県の川内原発がある選挙区では、増設中止を訴えた候補者が初当選、原発推進派の議席独占を阻んだことは、脱原発への希望の光として注目されていいでしょう。                   (記:伊藤 孝)
d0178431_1472822.jpg
レンブラント【羊飼いの礼拝】

セッションハウスメインサイトはこちら⇒www.session-house.net
[PR]
by sh_offstage | 2011-04-13 02:08 | Comments(0)

平常心を持ち続けることの大切さ

東日本大震災の被災地には一ヶ月経った今も余震が続いています。被災地の人達は住まいも定まらず、津波の爪あとが残る所で農業や漁業などで地域を支えてきた人達の再建への目途は「日暮れてなお道遠し」の感があり、胸が痛みます。そして破損した原発から出る放射能は、現場の方々の決死的な働きにも関わらず、封じ込めるにはまだまだ長い時間がかかると言われています。

この非常時ともいえる状況の中で、私達はこの事態をどう受け止めどのように日常生活を送っていったらよいのか、皆一人ひとりが心の中で思い悩んでいるように思えます。平常心を失いそうになる今、私達に出来ることは自分の持ち場で出来ることをやり続けることも大切なことでしょう。

被災地の町でいち早く再開したものに映画館がありました。待ちに待ったようにそこにやって来たのは長引く不安な生活に疲れきった人達。映画を見る子供達のはじけるような笑顔が印象的でした。どんな逆境にあっても、人々は平常心を取り戻すために求めるものは、住む所や食べ物だけではない。歌や映画やダンスをも求めているのかも知れないのです。

極端な例えかも知れませんが、1993年のこと、ユーゴスラビアで民族間の争いが続いていた時、アメリカの作家スーザン・ソンタグが銃火の飛び交うサラエボでベッケットのお芝居「ゴドーを待ちながら」を上演したという話を思い出します。あのような状況下でも、いやあのような状況だからこそ、演劇を見たい、アートに触れたいという人達がいたのです。そのことの意味するものを、皆で考えてみようではありませんか?

昨日の土曜日、セッションハウスでは「D-zoneリレー」の5回目で、河村靖子さんら5人のバレエ・ダンサーによる公演「こころの関節」が行われました。祈りと生きている喜びに満ちた作品で、さわやかな風が吹き抜ける素敵なひとときが過ぎていきました。             (記:伊藤 孝)
d0178431_316109.jpg





セッションハウスメインサイトはこちら⇒www.session-house.net
[PR]
by sh_offstage | 2011-04-10 03:19 | Comments(0)

中止になった「原爆展」

先日、新聞の片隅に出ていた記事に驚いた。目黒美術館で4月9日から開催される予定だった「原爆を視る1945-1970」展が、東日本大震災とその後の原発事故を受けて中止することになったという。

美術館側は「展覧会の趣旨は震災や原発事故と関係はないが、イメージが重なる部分があり、放射能への不安が拡がる中で、被災者など影響を受けている人々の心情に配慮して中止を決めた」と言っている。
この決定に対して美術館には「今こそ開くべき展覧会だ」といった意見が多数寄せられているという。美術館としても苦渋の選択だったと思われる。

とは言っても原発と原爆は同根の存在であり、深い関係にあることを改めて銘記する必要があるのではないだろうか?

一瞬の熱線と閃光によって広島では即死者7万人余、長崎では3万5千人余、その年の12月までを入れると広島で14万人余、長崎で7万4千人余が亡くなったと言われ、ケロイドなどの外傷はもとより原爆症と言われる放射能障害に長い間苦しむ大勢の人を生み出したのが原爆である。

その記憶が次第に風化され、その酷さが伝わりにくくなってきている今、原子力の平和利用の名の下に賛否を真剣に問うことなくいつしか原発を許容し、当たり前のように電気を浪費してきた私達。その上に突然襲いかかってきたのが今回の原発事故だった。

中止になった「原爆展」は2012年に開催を目指すということだが、今回の重大な事故と無関係な展示であってはならないと思う。

企画されていた展覧会は広島と長崎への原爆投下を、美術や演劇、文学などにどのように反映され表現されたかを軸にしたものというが、原爆と原発との関わりを捉えなおして世に問いかけてほしい。  (記:伊藤 孝)



セッションハウスメインサイトはこちら⇒www.session-house.net
[PR]
by sh_offstage | 2011-04-08 02:16 | Comments(0)

笑顔いっぱいの「ボー走山羊NYを行く」凱旋公演

土曜日の「ダンス専科」に続いて日曜日には「リンゴ企画」の特別編「ボー走山羊 ニューヨークへ行く」の凱旋公演が賑やかに行われました。

今年1月、ニューヨークで開かれたフェスティバルに招かれ大好評だったバージョンを、さらに練り上げた作品によるもので、
歌手の坂本美雨さんはじめダンサー達も繰り返し上演してきた成果が如実に分る公演でした。
隊長の近藤良平さんの軽妙な語りを交えて、オープニングから客席の空気もほどけっ放し。
本編の前にはNYでは時間的な制約で上演出来なかったシーンをはじめ、一緒にフェスティバルに参加した森下真樹さんも出演して、お客さんに携帯電話の着信音を鳴らさせて踊るシーンもあるというおまけ付き。
その後の本編は旅公演を経てきたためか、皆の息が見事に合ってのりのりのシーンの連続で、客席ともども笑顔いっぱいの舞台となりました。
いまは日本中に重い空気が漂っていますが、良平さんもブログ「近藤さんかく語りき」で書いているように、
お客さんにとっても、出演者にとっても、スタッフにとっても、「希望」を感じることのできる至福の時間だったのです。
この日は東日本大震災の被災地への義援金も急上昇したことも、付記しておきたいと思います。

(記:伊藤 孝)
d0178431_12161368.jpg

d0178431_12231654.jpg



セッションハウスメインサイトはこちら⇒www.session-house.net
[PR]
by sh_offstage | 2011-04-05 12:38 | Comments(0)

「一人ひとりがカズダンスを!」

昨日の土曜日、「一人ひとりがカズダンスを!」を合言葉に、多くのワークショップ生らが参加して「ダンス専科」公演が行われました。

この合言葉は、先ごろ東日本大震災の復興支援で開かれたサッカーのチャリティー・ゲームで、大ベテランの三浦知良選手が見事なシュートを決めて、おなじみの“カズダンス”を披露し、万雷の拍手をあびるという出来事から出てきたものです。「(ダンスをしていいのかどうか)迷ったけれど、日本中を明るくできたらいいと思ってやりました。今本当に苦しんでいる人にあきらめてほしくない」と語るカズさん。被災者への想いをこめてのひと蹴りだったのです。

いま将来への不安が拡がる中、私達に出来ることは、カズさんのように、失速しそうになている世の中に少しでも平衡感覚を取り戻すために、自分の持ち場で一人ひとりが力を出し合っていくことでしょう。
「ダンス専科」には持ち味もさまざまな4つの作品に総勢31人が出演、それぞれが精魂こめた“カズダンス”を見せてくれたのでした。                                                (記:伊藤 孝)
1.『Sanbom』振付:JOU
d0178431_39759.jpg

2.『ユキオとチアキ~さよならムーンライト~』富野幸緒、野口千明
d0178431_3114676.jpg

3.『マドモアゼル・シネマ「途中下車」より』振付・監修:伊藤直子 / 指導:伊達麻衣子
d0178431_122034100.jpg

4.『DIVISION』チーム松本 監修:松本大樹
d0178431_31929.jpg

そして今日の日曜日は、今年1月ニューヨークで踊ってきた近藤良平さん率いる「リンゴ企画」一党による凱旋公演です。相次ぐダンス・プログラム、期待してください。
[PR]
by sh_offstage | 2011-04-03 03:41 | Comments(0)

[





セッションハウスメインサイトはこちら⇒www.session-house.net
[PR]
by sh_offstage | 2011-04-03 02:23 | Comments(0)