ブログトップ

セッションハウス スタッフブログ 【スタッフより。】

fromstaff.exblog.jp

<   2012年 07月 ( 5 )   > この月の画像一覧

地下スタジオに草原の風が吹く

昨日29日(金)、セッションハウスのB1スタジオで、オルティンドー歌手オットホンバイラさんの歌声が響きわたり、モンゴルの大草原へと誘うコンサートが開かれました。
d0178431_12252179.jpg
オットホンバイラさんは、内モンゴルの草原生まれ、1994年に来日以来、日本で活動している歌い手です。私がTBSラジオで番組を作っていた頃のパートナーだった桂田實さんが是非彼の素晴らしい歌を聴いてほしいと提案してきた企画です。普段はダンス企画が多いセッションハウスでは久々の音楽プロパーの企画でしたが、100人を越えるお客さんが来場し、熱のこもった2時間となりました。
d0178431_12263374.jpg
オッティンドーはモンゴル固有の民謡で、草原の中でコブシを生かしながら伸びやかな発声で唄うもの。オットホンバイラさんは、巧な日本語でコメントしながらモンゴルの民族楽器・馬頭琴の名手バヤルトさんと共に、牧畜の民らしく馬をテーマにした「可愛い井白馬」などの歌を次々と披露してくれました。
d0178431_12314542.jpg
また、オットホンバイラさんは、日本の民謡も得意で、尺八奏者と共に宮崎県民謡「刈干し切唄」なども披露、ギタリストの佐久間順平さんも駆けつけて、飛び入りで「南部牛追い唄」の伴奏をするサプライズもありました。
d0178431_12375360.jpg
大草原で思い切り外に向かって唄うモンゴル、山あり谷ありでこだまが返ってくる日本では、声の出し方は違うけれども、自然に向かって唄う気持ちは同じというオットホンバイラさんです。アートにたずさわる者にとっても、異文化の中にも通いあうものを見つけていくことの、文化の架け橋となることの大切さに思いをはせるひとときでもありました。(記:伊藤孝)
[PR]
by sh_offstage | 2012-07-28 12:41 | Comments(0)

大荒れの岩国からのメッセージ

山口県岩国、城下町と米軍基地のある町。そこで今大きなニュースになっているのが、米軍の新型輸送機オスプレイの搬入問題。何回も墜落事故を起こしたことから、安全性が疑われる飛行機を持ち込むのは危険きわまりないと、駐留基地となる沖縄をはじめ、訓練地になる各地から持ち込みに反対する声が高まる中、日本政府は聞く耳持たず、今日岩国基地に陸揚げ作業が強行されたのだった。そしてニュースは岩国の町では今日、抗議の声が響きわたっていたと伝えている。
d0178431_2273985.jpg
                (朝日新聞夕刊より)

岩国は2007年にマドモアゼル・シネマが公演をし、今年10月も「東京タンゴ」の公演をすることになっている縁の深い町。市民組織で社会とのつながりに力点を置いた多くのアートムーブメントを実践してきた所である。今日ニュースを見ながら、私達の公演の現地制作を引き受けてくれる「フォーラム2012<岩国>実行委員会」のリーダー、美術作家の原田文明さん達も、オスプレイの搬入に心穏やかではないだろうと思っていたところ、朝日新聞の夕刊に原田さんご夫妻のことが載っていた。

『市内在住の画家、原田文明さんは今回、妻(児童文学作家・岩瀬成子さん)とともに初めて抗議の輪に加わった。きっかけは福島の原発事故。チェルノブイリ事故で盛り上がった反原発運動に共感しつつも「ちゃんと運動しないままズルズルきてしまった」からだ。
オスプレイの配備問題は原発の問題と似ていると感じている。「岩国での搬入を認めれば、全国でオスプレイが飛び始める。1カ所の原発が動けば全国の再稼働につながるのと同じ」。段ボールで手作りしたプラカードを握る手に力を込めた。』

アーティストもダンサーも世の中の動きとは無縁ではいられない。そのような当たり前のことを改めて痛覚される1日となった。(記:伊藤孝)
[PR]
by sh_offstage | 2012-07-23 22:58 | Comments(0)

テニアンから広島へ、そして福島へ

先週、私はノンフィクション作家の織井靑吾さんと南太平洋に浮かぶ島、テニアン島に行ってきた。織井さんは、広島で中学生時代に学徒動員で建物疎開作業に向かう途中、爆心から1.6kmという所で被爆、一緒にいた学友を多数失うとともに、自らも瀕死の重傷を負いかろうじて生き延びた方で、原爆や炭坑事故に関する多くの著書を書いている。
d0178431_16553590.jpg
       (今も残る原爆搭載機が発進した滑走路)
d0178431_1743837.jpg
     (空地に展示されている原子爆弾の実寸大の模型)

広島、長崎への原爆投下から間もなく67年、自らの被爆体験を整理するために、自分達の上に原爆を落としたB29爆撃機エノラ・ゲイ号の発進基地だったテニアン島、そこに行ってみたいという織井さんから寄せられた思いがけない提案。当時私自身広島から50キロほど離れた竹原という町に疎開しており、小学校(国民学校)の窓からB29の機影と原爆の閃光を目撃、直後に被爆者に接した経験があるだけに、織井さんの気持ちが痛いほど分かり、同行を申し出た次第だった。
d0178431_16563756.jpg
  (織井氏と原子爆弾をB29に搭載するための穴の跡地に立つ)

太平洋戦争当時、新型の長距離戦略爆撃機B29を完成したアメリカは、日本から2200キロ離れたサイパン島やテニアン島を手に入れることが出来れば、日本本土への空襲が可能になるため、1994年の6月から7月にかけて両島に激しい攻撃を加え日本軍を殲滅、「生きて虜囚の辱めを受けず」との戦陣訓で多くの民間人をも巻き添えにして、自死に追いやった悲劇の島々が両島であった。
d0178431_16582519.jpg
          (洞穴に設えられた日本軍の砲台跡)
d0178431_16593594.jpg
       (艦砲射撃や銃弾の跡が残る日本軍のトーチカ跡)

今はリゾート地として観光客で賑わう島だが、島の北端には当時の滑走路が残り、B29に原爆を搭載した時の穴が残されているし、島のあちこちには激しかった艦砲射撃や銃撃戦の後が色濃く残る戦跡がたくさんある。とりわけ隣のサイパン島と同じように迫りくるアメリカ軍を嫌って険しい崖から海などへと飛び込み命を絶った人も多く、スーサイドクリフと言われる現場には沢山の慰霊碑が立ち、今も訪れ祈る人も少なくない。どこまでも美しい南太平洋の風景。しかし、その場に立って海面が遺体で覆い尽くされていたという当時のことを想像した時、身体が震えてきてならなかった。
d0178431_1705321.jpg
         (多くの人が自死したカロリナス岬)

そして翻ってこの島とサイパン島、グアム島にアメリカ軍の基地が出来、それがために原爆投下や日本各地の都市への焦土作戦が可能になったことを考えると、空襲で亡くなった人達の前にテニアン島やサイパン島での多くの死者がいたのだということを改めて気づかされ、この島と広島や長崎の死者へと1本の線でつながっていることをひしひしと体感できたのだった。そして敗戦後、被爆という酷い体験をしながらも原子力の平和利用という“美名”に惑わされ原発を黙認していた私たち、その大きなつけが福島第一原発の事故だったことを考えると、テニアンから広島へ、広島から福島への道筋がくっきりと見えてくる。旅の終わりに思い出されたのは「死者よ来たりて、我が退路を絶て」という言葉。こうした歴史の道筋から目をそらしてはならないということであった。(記:伊藤孝)
[PR]
by sh_offstage | 2012-07-13 17:23 | Comments(1)

渡辺一枝さんを通して福島へ支援金送る

東北大震災、福島第一原発事故から今日でちょうど1年4カ月、被災地は今もなお瓦礫の処理や放射能禍など問題は山積する状態が続いています。

それに対して私達にせめて出来ることとして、先頃セッションハウスのギャラリー【ガーデン】では71名の作家が参加してチャリティーアート展を開催、その作品の売上金の中から支援金175,234円が寄せられました。
d0178431_2239477.jpg
また、マドモアゼル・シネマの公演「つぐちゃんの空」では公演終了後、ダンサーらが持ち寄った衣裳などでフリーマーケットを開き、売上金25,850円を支援金としました。チャリティーアート展からと合わせ201,084円を、被災地に通い続けている渡辺一枝さんを通して、福島県相馬市の「原発事故から命と環境を守る会」に送っていただくことにしました。皆さまに遅ればせながらご報告申し上げるとともに、ご協力に感謝申し上げる次第です。(記:伊藤孝)
[PR]
by sh_offstage | 2012-07-11 22:59 | Comments(0)

からだ大学ショーイング「活きのいいダンスがいっぱいだ!」

昨日の日曜日、6月29日から5回にわたって開かれた「からだ大学」ダンスゼミの成果を問うショーイングを実施、1回公演でしたけれど、活きのいいダンスいっぱいの会となりました

勝部ちこ、富野幸緒、早川朋子、それぞれの講師の特長を生かした作品と、近藤良平がオーディションで選んだ5組による「日本の持ち歌」ダンスに、総勢34名が出演。

即興によるコンタクトインプロ作品やパワーにあふれるダンスと演劇的なシーンをまじえた作品、落語にインスパイアされた作品、そして持ち歌(なぜか昭和歌謡)に自ら振付けた5作品が次々に登場、「ダンスってこんなに面白いの?」と言えるひとときが過ぎていったのでした。よくもまあ5日間でこのように見応えのある作品をと感心させられました。

全員を画面に登場させられないのは勘弁していただくとして、全8作品の写真をお楽しみください。
d0178431_16135853.jpg
勝部ちこゼミ・即興で舞台に生きる「6日目」
d0178431_16153990.jpg
富野幸緒ゼミ・パワー&フローでダンスをつくる「思い出ラジオ」
d0178431_16174926.jpg
早川朋子ゼミ「名前、決まった?落語“寿限無”より」
d0178431_16194774.jpg
近藤良平・日本の持ち歌 みんなのダンス①堀菜穂「恋のバカンス」
d0178431_16234772.jpg
②椎野純・大前裕太郎「朝日のあたる家」
d0178431_16282188.jpg
③神田彩香「フライディ・チャイナタウン」
d0178431_1631946.jpg
④多田ゆき「OH!ギャル」
d0178431_1634264.jpg
⑤中村理「うぬぼれワルツ」

ワークショップから作品へ、このプロセスの中からダンスが好きになる人が増えていくような予感のする1日でした。8月には「真夏のダンスファイア」でのショーイングへと続きます。楽しみにしていてください。
(記:伊藤孝)
[PR]
by sh_offstage | 2012-07-09 16:44 | Comments(0)