マドモアゼル・シネマの「東京タンゴ」の公演から早くも一週間、ジャンさんと共にマドのダンサーたちがボルテージいっぱいに踊った日は走馬灯のように過ぎていきました。
近年円熟期を迎えいっそう磨きがかかってきたように思えるジャンさんの体のラインの美しいダンス力と日本語をユーモラスに駆使した演技力は、さすがダンス・シアターの本家本元ピナ・バウシュから受け継いだものと改めて感動させられるものでした。
そしてそれに感応するように、全身に踊ることの喜びを体現したマドのダンサーたちの姿も、魅力にみちみちていました。

そして、日曜日の最終回の公演にはマドの作品でもお馴染みのミュージシャン「たま」の知久寿焼さんがやってきて、打ち上げで作品中で使わせてもらっている歌を弾き語りで次々の唄ってくれるというサプライズがありました。
振付の伊藤直子もダンサーたちも、これまでの想いが蘇ってきたのでしょう。もう感動の極みでメロメロ状態。同席していた前オーストリア大使の田中映男さんも「たま」のデビュー当時からラジオでよく聴いていたと言い、感無量の面持ちでおられたのも印象に残ることでした。

しかし、マドのダンサーたちは休む間もなく公演を終えた次の日から、31日から出かけるポーランド・ポルトガル巡回公演で上演する「不思議な場所」のリハーサルに突入。わずか一週間の集中ワークで上々の仕上がりをみせています。これも「東京タンゴ」のテンションが乗りうつった賜物なのかも知れません。
(記:伊藤 孝)
セッションハウスメインサイトはこちら⇒
www.session-house.net