久しぶりにダンス写真をお届けします。
12月10日の土曜日、11日日曜日、3組のレジデンス・アーティストが登場。[世界へ!」向かって発信する見応えたっぷりの作品が勢ぞろいして、見る方々も舞台にコンセントレイトしていく技とイメージの競演となりました。
まず最初に登場したのは、松本大樹と香港から駆けつけてきたアンディ・ウォンとのデュオ・ダンス『パラホライズン』。10年プロジェクトの7年目とあって、男性同士の息もぴったり、つかず離れずの友愛の世界は、同行してきたベイ・ホン君の舞台装置の中で光り輝き、ため息ものでした。
続いて登場したのは、オランダから帰国して一年あまりとなる富野幸緒が3人の女性ダンサー(中原百合、丹羽洋子、野口千明)と共に創るチーム・トミノの『天使の街』。モーツアルトのレクイエムなど荘厳な音楽の中での息の合ったユニゾン・プレイとユーモラスな演劇的シーンや映像があいまって、ダイナミズムあふれる世界が出現しました。
そして最後に登場したのは、平原慎太郎と女性ダンサー2人(柿崎麻莉子、田上和加奈)によるユニットOrgan Worksの『昼夜の歌』。中原中也の世界を愛してやまない平原慎太郎たちは、激しく動くことを排してじっとたたずんでいるように見えても、一人ひとりの体がそれぞれの内部で他者と共振しあい、音と共鳴しあい、静謐なダンス的世界を紡ぎ出していくものでした。
ところで昨日12月11日は、東日本大震災から9ヶ月目。本格的な冬の到来で被災地の方々の暮らしは、いっそう厳しさを増しています。私達は被災地へ向けての「ちりつも作戦」を続けていますが、この一月に36,400円の寄金が集まり、開始以来の義援金は総額668,325円となりました。この作戦、大震災の記憶をしっかり胸に刻むためにも、1年間は続ける予定です。皆さまのさらなるご協力をお願い致します。(記:伊藤孝)