3月31日、ワークショップや日頃のダンス・レッスンの成果を問う「ダンス専科2012」の公演が行われ、5つのグループによる競演に総勢51名が出演、B1スタジオは熱い空気いっぱいとなりました。
作品の色合いもコンテンポラリー・ダンスといっても振付の手法はさまざま、それに今年から日本舞踊も加わったのですから、ダンサーにとってもお客さんにとってもダンスの魅力を幅広く知り、楽しめる2時間となりました。
先にリハーサル風景をご覧にいれましたが、今日は照明も入っての公演風景をお見せしましょう。
まず最初に登場したのは伊藤直子のWS生12人によるマドモアゼル・シネマのレパートリー作品「東京タンゴ」の抜粋シーンによる作品。ジャンさんや尾本安代さんがいなくても、ダンスシアターのニュアンスを見事に生かし伝える時間となりました。

2番目に登場したのは今年初めて参戦した坂東扇菊の日本舞踊のクラスの5人によるデモンストレーション。静かで艶やかな踊りから戦いの振りまで日本舞踊の多彩さを伝える時間となりました。

3番目の登場はいま八面六臂の活躍している平原慎太郎のWS生による「街」と題した作品。言葉も使った演劇的手法も入れて街角の青春群像を描いたもので、21名の出演者で舞台は熱気むんむんとなりました。

休憩をはさんで登場したのは富野幸緒振付による「Road of Bones」。ヨーロッパ仕込みのハードなダンスに6人の女性ダンサーが挑戦、髪を振り乱しての踊る姿には鬼気迫るものがありました。

そして最後は、打って変わって松本大樹のWS生7人によるリリース・テクニックによる流れるような美しい作品。フィナーレを飾るにふさわしい清楚な時間が流れていきました。

ダンスの魅力とは何か、一口に言えないほど、ほんとにいろいろ、さまざまであることを改めて感じる1日でした。今は亡き映画評論家・水野晴郎さんの口癖を真似て言えば「いやあー、ダンス(映画)ってほんとにいいもんですね。」(記:伊藤孝)