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セッションハウス スタッフブログ 【スタッフより。】

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今なお癒えることのない被災地からの声

あの日から間もなく2年目、それを前に昨日3月4日(月)、2Fガーデンで渡辺一枝さんが主宰するトークの会「福島の声を聞こう」の5回目が開かれました。

今回のゲストスピーカーは、南相馬市の「原発事故から命を環境を守る会」(通称「六角支援隊」)の鈴木時子さんと荒川陽子さん。お2人ともに被災者として辛酸をなめてきた方ですが、率先して安全な野菜作りをするなどの支援活動に取り組んでいる方々です。
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荒川さんは家を津波で流され、借り上げ住宅に仮住まい。鈴木さんは津波の直接的な被害は受けてはいないものの、実家が石巻で親戚の方や友人たちを亡くされています。お2人が語る被災時のお話は今も尋常な気持ちでは聞けないものでした。お年寄りを高台に導きなかがらも襲ってきた津波に巻き込まれて手を放してしまい、助けることができなかったことを今なお悔み続けている人がいる。そのようなお話を聞くにつけ、生き残った人々の心の中の傷跡の深さには、単純に時間の経過などでは癒されないものがあることを改めて痛覚させられるものでした。

今なお仮の住まいで暮らす人や放射能のために子供たちと別れて暮らす人など、被災者と一口に言っても悩みや思うことはさまざまなようですが、故郷に帰って家族一緒に暮らしたいと願っているのは皆同じ。そのために鈴木さんも荒川さんも、放射能とにらみ合いながら故郷を蘇らせるための活動に懸命に取り組んでいるのです。

また、昨日の会場には渡辺一枝さんのように、ボランティアで福島に通い続け農作業の手伝いをしているロックーミュージシャンなどが来場し、自分ごととして被災の問題を考えている方からの発言があったことも、強く印象に残るものでした。

あの日から2年、被災地の深く大きな傷跡が聞こえてくる一方で、原発再稼働の声が公然と聞こえ始めています。それだけに私たちは小さなことであっても、被災地の声にいっそう耳を傾け続け、自分に出来ることに取り組んでいかなければと思います。
なお、このトークの会、次回は6月30日(日)に予定しています。詳細は改めてお知らせいたします。ふるってご参加ください。(記:伊藤孝)
by sh_offstage | 2013-03-05 20:45 | Comments(0)
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