いよいよ今日から韓国の写真家・鄭周河(チョンジュハ)さんの展覧会「奪われた野にも春は来るか」が始まります。
放射能禍にさらされた福島に通い、撮り続けてきた鄭さんの写真は、一見すると何気ない美しい風景写真。しかし、そこには放射能という目には見えない影が映し出されているのです。日本の過酷な収奪下にさらされた祖国のことを詠った詩人・李相和の詩からとったタイトル「奪われた野にも春は来るか」が問いかけるものは限りなく重いのです。
会場には19枚の写真が展示されていますが、その一つ一つの作品に向き合った時、どのようなことを感じ取れるのか、何を読み取れるのか、ぜひご覧になって考えていただけたらと願っています。


初日の今日は午後7時から鄭さんを囲んで、哲学者の高橋哲哉さん、作家の徐京植さん、司会・早尾貴紀さんによるオープニング・トークがあります。ふるってご参加ください。写真展は16日(木)まで開かれています。
なお、鄭さんがNHKのEテレの番組「こころの時代・私にとっての3.11」に登場します。5月12日(日)午前6時から、再放送は5月18日(土)午後1時から。被災地を行く鄭さんの想いが聞ける番組です。ぜひチャンネルを合わせてみてください。(記:伊藤孝)