明けましておめでとうございます!2014年もスタートしてから早くも7日、セッションハウスも昨日6日からダンスクラスが開講し、活動を再開しました。今年も企画がいっぱいの年になりそうです。皆様に旧年に変わらぬお付き合いを、そしてさらなる応援をよろしくお願致します。

皆様はこのお正月をどのようにお過ごしになられたのでしょうか?私はプログラム・ディレクターの伊藤直子と彼女の故郷の鹿児島に行き、南シナ海沿いの加世田の町で今は廃線となっている南薩鉄道の小さいけれども頑張って走ってきたSLや、大空を自由に飛びまわる渡り鳥の群れに遭遇、のびやかな気持になることが出来ました。

河口近くに架かった吊り橋には祈りの柏手の音が跳ね返る仕掛けがあって、まるで天からの声を聞くような幸せな気分を味わうことも出来ました。

また私は鹿児島県の出水市の隣り町、熊本県の水俣にも行ってましたが、その海は遠くに天草の島を望んでどこまでも穏やかで、陽光の下きらきらと輝いていました。

しかし、この海は工場排水の垂れ流しで水銀禍をもたらし、漁民をはじめ多くの人を苦しめてきた記憶が封じ込められていることを忘れるわけにはいきません。そしてその風景は美しければ美しいだけに、放射能禍にある福島県飯館村などの姿と重なってくるものでした。また、東シナ海の反対側の海に面した志布志市のお寺には、お堂の中に東北の物故者を追悼し復興を祈願する言葉が掲げられていたのを目撃、遠く離れたこの地にも東北の被災地に寄り添う気持ちが息づいていることを痛覚されたものでした。

今年は政治的には昨年末の特定秘密保護法の強行採決に続いて、軍事力増強をバックボーンにした「積極的平和主義」なるものを唱える安部首相は、憲法改正(改悪)への動きを強めていくものとみられており、厳しい一年になりそうです。戦争放棄と個人の人権尊重を基調とした平和憲法の理念を掲げて世界の人々と付き合っていってこそ「積極的平和主義」と言えるのですから、私たちはその言葉を安部首相から取り戻さなければならないと考えます。
アートの世界に携わる私達も、こうした社会の動きをわがこととして内在化し、何が出来るか考えていかなければならない時代の真っただ中にいると言えるでしょう。セッションハウスでは今年も原発再稼働の動きに抗して、渡辺一枝さんのトークの会「福島の声を聞こう!」を継続開催していきます。そして5月3日の憲法記念日には、「日本国憲法を踊る」と題して笠井叡さんが体と言葉で現行憲法の大切を考えていこうという公演も予定しています。皆さんの積極的ご参加を期待しています。(記:伊藤孝)