セッションハウスの2Fガーデンで、久々に渡辺一枝さんの写真展「消されゆくチベット」が始まりました。
渡辺一枝さんが愛してやまないチベットを度々訪れて撮影してきた膨大な数の写真、そこから選りすぐったものを展示していますが、新たに撮影したものではありません。代々そこで暮らしてきた人々の意に反して、鉄道が開通し急速に中国化が進むチベットです。展示された写真の風景や人々の暮らしぶりはもはや昔のもの、「消されゆくチベット」の姿なのです。
案内状に使われている“聖地ブンパ・リ”の風景も、今は祈りをこめて掲げられていた“タウチョ”(旗)も禁じられ、その代りに軍隊の通信用のアンテナが林立。チベットの人々の心の拠り所にくさびを打ち込まれたような状況が拡がっているそうです。
少しでも多くの人にチベットで起きていることを理解してほしい。その想いから写真展を開いた渡辺一枝さんです。来場する一人ひとりに語りかける毎日が始まったのです。
金曜日、午後7時からは会場でトークの会も開かれます。チベットでは今何が起きているのか、渡辺一枝さんのお話に耳を傾けていただけたらと願っています。 この写真展、19日の月曜日まで開催しています。皆様のご来場をお待ちしています。(記:伊藤孝)