台風19号北上のニュースが伝えられる嵐の前の静けさの中、12日の日曜日マドモアゼル・シネマの『赤い花・白い花、それから』による和歌山公演が予定通り実施されました。
会場は万葉の里と言われる和歌の浦のアート・キューブというユニークな建物の中にある劇場。前日の土曜日にはその建物の中にあるスタジオでワークショップが実施され、振付の伊藤直子やダンサー達の指導の下、小学生から40歳までの13人が参加して上演作品「赤い花・白い花」のいくつかのシーンを繋げた動きに挑戦しましたが、皆の呑み込みの速さには驚かされるものがあり、僅か3
時間のレッスンの中で、みるみるうちに小作品が誕生していきました。


次の日の公演会場は三角形のちょっと変わった舞台でしたが、旅するダンスのマドモアゼル・シネマの5人のダンサー達は、今やどんな場所でも踊りこなせる技の持ち主です。「今年も生きて桜を見ています。人は生涯に何回ぐらい桜を見るのかしら」の茨木のり子さんの詩の言葉から始まる『赤い花・白い花』。生と死をテーマにした作品の激しいシーンもユーモラスなシーンも静かな祈りのようなシーンも凛とした佇まいで踊りきり、暖かな拍手をいただきました。









そして公演の最後には、会場からワークショップ生たちが舞台に上がり、息の合ったパフォーマンスと組ごとに分かれて桜の木を表現する技などを披露、満席の観客席からの拍手は最高潮に達したのでした。


終演後、ワークショップ生達は、公演実現に奔走して下さった和歌山芸術文化支援協会の井上節子さん、振付の伊藤直子とともに記念撮影、皆踊りきった素敵な笑顔が印象的でした。

マドモアゼル・シネマの巡回公演、次は10月25日(日)札幌のコンカリーニョヘと続いていきます。さて今度はどのような出会いが待っているのか、楽しみは尽きません。
(記:伊藤孝)