「リンゴ企画」の芸術監督、近藤良平さんが音楽をダンス化する挑戦は、一昨年、昨年の「ブルグミューラー25」に続いて、今年はシューマンの「子供の情景」とドビュッシーの「子供の領分」を採り上げ、新たな地平を切り開きました。

先週の土曜日と日曜日4回にわたって行った公演は、今それぞれ活発な舞台活動をしている5人の若手ダンサー(笠井晴子、加藤沙希、小暮香帆、黒須育海、酒井大輝)が参加。いつもとは違ってスタジオの反対側を舞台に、ピアノの広澤麻美さんのライブ演奏に乗せて、ダンス力と演技力あいまって多彩なユーモラスなシーンを創りだしていきました。




合間には良平さんと廣澤さんの作曲家をめぐる軽妙なトークもあるし、「ブルグミュラー25」の時と同じように、シーンごとにタイトルが上方の壁に映し出され、照明、音響などのセッションハウス・スタッフの知力、技術力も総動員しての立体絵本という趣の舞台となりました。



前回、前々回の練習曲とは違って、演奏するのは容易ではない曲なので、良平さんも廣澤さんとテンポなどを相談しながらの新たな挑戦だったとのこと。その効果あってダンサーたちも活き活きとした踊りと演技を披露、観客の皆さんも存分に楽しめる舞台となりました。


近藤良平さんの音楽をダンス化するという試みは誰もやったことのない挑戦、来年のことを早くも視野に入れ始めています。乞ご期待です!(記:伊藤孝)