一昨日14日の土曜日、D-zoneフェスティバルの第2弾で、A La Clareの公演が行われ、『ink』と題した作品で、テクニカルの下見の時から一段とステップアップした舞台を見せてくれました。

振付・出演したのは榑松朝子さんと岩崎菜葉さんの2人ですが、テキストを書いたやねぎさん、衣装を作った柴本さゆりさんともども4人の女性チームが創り上げた舞台でした。

「言葉にできないからダンスをする」ということがよく言われますが、そのことを疑ったことから始まったという今回の作品。テキストの物語を考察し、発語はしないけれど、言葉をひとつひとつが意味するものを探り、文字の質感ともども、ダンス化していくということを試みるものでした。

2人の会話とそれぞれの独り言が、時には寡黙に、時には激しく動くことで展開していく身体のドラマ。人間が生き続けていくとさまざまな汚れが付いていくように、動くにつれて衣装や腕に青いインクがついていく。見た人の中からは「汚れちまった悲しみに」という中原中也の詩の一節が聴こえてくるようだったという感想も聞かれました。


D-zoneフェスティバル、第3弾は3月28日、Junko Okudaさんが、ケルンとパリと踊りついできた『ZUE 間』と題したソロ作品を踊ります。お楽しみに!(記:伊藤孝)