先の日曜日の23日、2Fガーデンで渡辺一枝トークの会「福島の声を聞こう!」の16回目が開かれました。
今回のゲストスピーカーは、高校教師の渡部義弘(ワタノベヨシヒロ)さん。渡部さんは福島県内の高校を歴任し、相馬高校に勤務している時に震災に遭遇、放送部の顧問をしたことから生徒たちに自分たちの体験に基づく演劇やドキュメンタリー映画の撮影を創るきっかけを作ってきた方です。

トークの会では生徒たちの創った映像作品を次々に映写しながら、被災後どんなに悩み、苦しんできたかを伝えるものでしたが、中でも3人の女子生徒が演じる舞台作品「今伝えたいこと(仮)」を記録した映像は、強烈なメッセージを伝えるものでした。

「どうして分かってくれないんだろう?だってそうじゃないか。私がなにか間違ったことを言った?福島は大変です。放射能に汚染されて、福島に住んでない人達には白い目でみられて、私が悪いの?なんでここまで傷つかなくちゃならないの?なんでけなすの?聞いてほしいだけなのに。・・・」この映像作品をはじめ何点かの作品は、2012年以来全国各地に招かれて上映、NHK杯全国高校コンテストなどで多数の授賞歴も重ね、山形国際ドキュメンタリー映画祭でも上映されて、高い評価を受けてきています。生徒たちは作品を創る中で矛盾にみちた大人の世界に触れたり、水俣や長崎も訪れて被災の意味を深くとらえ直すなどの学習を重ねて成長していったようです。
アンケートにも「演劇の映像の迫力に圧倒されました」「高校生の正直な思いが映像に表れていて胸を打ちました」「若い人の声が痛く突き刺さりました」といった感想が数多く書かれていました。

「福島の声を聞こう!」次回は11月頃に予定しています。日程と内容が決まり次第HPなどでお知らせ致します。(記:伊藤孝)