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「村は壊されてしまった!」飯館村からの報告に慄然としたトークの会

先週の23日土曜日、2Fギャラリーで、2011年の東北大震災と原発事故の1年後から始まった渡辺一枝トークの会「福島の声を聞こう!」の20回目が開かれ、全村避難となっている飯館村からの報告に、息をのむ想いのする時間となりました。
今回は前回の菅野榮子さんに続いて、同じ飯館村の村民だった菅野哲(ひろし)さんに来ていただき、来年3月に予定している村長の帰村方針に揺れる村人たちの状況と考えを語っていただきました。菅野さんは、村役場に勤務して村作りに奔走、その後は専業農家として畑作と農産加工品の生産に打ち込んできた方ですが、現在は福島市で避難生活を送っています。自立精神旺盛な村人たちの努力で、自然と調和した理想的な村づくりをしてきた飯館村でしたが、原発事故で避難を強いられ、絆が強かったコミュニティがずたずたに破壊されてしまった口惜しさは、今なお語りつくせないものがあるようです。
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家の周りや畑地の放射能は除染されたとしても、山林の除染はほとんど手付かずのまま、畑地のあちこちには汚染土を詰め込んだ黒いフレコンバッグの山々があって、美しかった村の風景は一変していると言います。例え、電気、水道、ガス、役場や郵便局などのインフラが整ったとしても、多くの土地を奪われ、山林にも入れない所に戻ったところで、生き甲斐のある暮らしが出来るのだろうか、そんな不安の中で村人の心は揺らいでいるとのこと。お年寄りは生まれ育った村への望郷の念は強いけれど、成長盛りの子供たちを抱える家族にとっては、放射能への不安は拭い難く、家族もバラバラになってきているのです。一度原発は事故を起こしたら、取り返しのつかない状況となる。それなのに日本という国は、原発を何事もなかったかのように再稼働し始めている。菅野さんの憤りはいや増すばかりなのでした。
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そうした絶望的な状況の中にあっても、菅野さんは土地から引き離された村人たちが次第に“しおれていく”様子を見て、これではいけないと思い、避難先に休耕地などの土地を見つけ整備して、村人たちが土と触れ合って生きる環境を整備するなどの、地道な活動を続けているとのことでした。菅野さんのお話しを聞き、会場からの発言も多く、トークの会の参加者にとっても、原発と暮らしの関係を改めて自分事として考え、人の暮らしにとって何が大切なのかに思い至らせられる時間となりました。
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福島の声を聞こう!」、次回は10月8日(火)に開催予定です。やはり町内全域が避難指示区域となった浪江町の今野寿美雄さんがゲストスピーカーです。この機会に原発被災地のリアルな姿に目を向けて、原発問題を他人事としてではなく考えていっていただきたく思っています。(記:伊藤孝)
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by sh_offstage | 2016-07-26 20:12 | Comments(0)
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