一昨日の24日土曜日、スイスからの参加者も含む4人の女性振付家の作品による「カトルカールN°11」(2回公演)が行われ、経験豊かなダンサー達のぶれない体の競演で充実した舞台となりました。
絶え間なく水が流れて水音が響く装置やテキスタイルによるユニークな舞台美術など、仕掛けに工夫をこらしたものもあり、舞台空間が作品ごとに変わる楽しみもある公演でした。プログラム順に舞台写真をご覧ください。
1. トニア・シリング『BLUE WATER』

宙に浮き、自由気ままに、私は輝く水の中に飛んでゆく・・・

2.古園井美果『夜の始まり』衣装:池田理枝

夜は何処へ続いているのだろう。夢の中では、何処でも行ける。何にでもなれる。そして、もう会えなくなった人にも会える・・・

3.二瓶野枝『build』出演:櫛田祥光、二瓶野枝 衣装・テキスタイルデザイン:山村美紀 美術協力:西田秀己 出演協力:矢島みなみ

男と女は造られていく 長い歴史の中でつくられたステレオタイプ そこに疑問を持たずして情熱は生まれない そして、それは本来とてもシンプルで純粋である 触れ合い、育まれる

平田友子『按樹~ユーカリ~』衣裳:金田かお里 サウンド・デザイン:江澤千香子 楽曲提供:Dual_N(久木山直・三上直子)

乾燥地でも良く育ち大地を緑で覆う。根を深く伸ばし、地下水を吸い上げる力が強い。引火性のテンペルを発し、発火しやすく山火事を起こすが、樹皮は燃えやすく火が着くと剥がれ落ち、幹は燃えずに守られる。そして根の栄養で火事の後に新しい芽をつける

若手ダンサーの競演の賑わいとはまた違って、アダルトで落ち着いた空気が流れる舞台経験豊かなダンサーによる「カトルカール」のような公演も、今あっていいプログラムだと改めて思えるものでした。(記:伊藤孝)