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セッションハウス スタッフブログ 【スタッフより。】

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全力投球のカラダが舞ったBUTOHプロジェクト終わる

舞踏のさまざまな流れを汲む34人のダンサーが結集した「ダンスブリッジ・インターナショナル」のBUTOHプロジェクトの公演が18日の土曜日と19日の日曜日に行われ、

カラダを目いっぱい駆使した熱い熱い舞台となりました。

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結集したのは、「舞踏」という言葉の創始者でもある笠井叡氏の門下生のデュオ・ユニットCORVUSの鯨井謙太郒さんと定方まことさん、昨年まで麿赤児氏率いる大駱駝艦の舞踏手だった奥山ばらばさん、玉野黄市氏や和栗由紀夫氏に師事、元藤アキ子氏主宰のアスベスト館や山海塾でも活躍した工藤丈輝さんの4人。1960年代から積み重ねてきた舞踏の歴史を踏まえたそれぞれのダンスは、それぞれ存在の限界を問うもので、私たちにカラダの持つ可能性と不可能性を伝えてくるものでした。舞台写真からその姿をご想像を下さい。
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 1.CORVUS(鯨井謙太郒・定方まこと)『血と雪』
歴史を超えていきたいという衝動。この世に身を持つものとして。いま、ここに、なき者たちの声とともに。時代の未明から来るべきものへ。
※森鴎外の幕末の志士による出来事を題材にした作品「堺事件」と2.26の兵士を取り上げた三島由紀夫の作品「血と雪」を基にダンス化し2011年に初演し、今回改めて再構成したものです。
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2.奥山ばらば『カバネガタリ』

カラダのツカイテとして今ここに在るということ。そのゾクセイに存分に殉じつつ、しかし大いに跨いでしまう野心を孕みながら、硬質に横たわるそのカラダを冷たく視つめていたい欲求にひたすら駆られているのです。

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3.工藤丈輝『荒漠器』かくも人間的な廃墟

カサカサに渇いた木乃伊、地下墳墓にいきづく。在りし日の思い出、骸は柩を出て仮想空間にあそぶ。呼吸、歩行、崩れそうなカラダを必死に保っている。屍の武闘、重力は消え、関節は生者の論理を裏切る。手、足、胴体、首はそれぞれに叛乱を企てる。・・・仮想は破れ、やはり永久に眠る痩躯・・・。
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土曜日のファースト・ステージの後には、「踊る。秋田」のディレクターで舞踏評論家の山川三太氏をインタビュアーにアフタートークが行われ、舞踏とは何かとそれぞれの想いを語りあうひとときとなりました。

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振り返ればセッションハウスが「舞踏」を真正面から取り上げたのは26年の歴史の中で初めてのことでした。しかし、当然のことながらカラダの在り様を鋭く問いかける舞踏も今に生きるコンテンポラリー・ダンスの一つです。これからはジャンルなるものの境界を越えて、舞踏も交えた企画を立案していきたいものと考えています。(記:伊藤孝)



















by sh_offstage | 2017-11-22 03:41 | Comments(0)
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