いまセッションハウスの2Fギャラリー【ガーデン】では、フォトグラファー後藤悠樹さんの写真展『サハリンを忘れない』を開いています。1985年生まれの若い後藤さんは、様々な事情から敗戦後もサハリンに残留せざるを得なかった人々の姿を2006年から撮り続け、交流を続ける中でその方たちのお話を丹念に聞き取り、この度『サハリンは忘れない』という写真文集を出版、それを記念しての開いたのが今回の展覧会です。サハリンには日本人だけでなく、炭坑などで働かされていた朝鮮人も多く残っており、ロシア人ともども人種を越えた家族を作っている人も少なくありません。さまざまな人生ドラマを持った人々の表情や暮らしぶりや、日本統治時代の建物が残る風景など、およそ100点にのぼる写真が、私たちに今につらなる歴史の地下水をくみ上げて、いろいろなことを考えさせてくれます。会場のそこここには、聞き書きをしたお婆さんたちのことを紹介した後藤さんの言葉が架けられています。この写真展、25日の日曜日まで(12時~20時)開催しています。入場料は500円、会場では後藤さんの写真文集も販売しています。サハリンの人々のことを知るまたとない機会です。是非ご覧になって下さい。(記:伊藤孝)