先日3日間にわたって実施されたマドモアゼル・シネマ25周年記念公演、今日はその最後してCプログラムの4人のソロ作品競演の模様をお伝えしましょう。
題して総合タイトルは『her life』。いちばん若い須川萌から始まり、中島詩織、竹之下たまみ、豊永洵子が持ち味それぞれの作品で熱演する舞台となりました。
1.須川萌『辺境へ』
高校生の頃『つぐちゃんの空』公演で作文を提供しくれたのをきっかけに、大学生になってマドモアゼル・シネマのダンサーになり、今や大学院生になって成長著しい彼女が、鍛えてきた体の動きで創意あふれたソロを披露してくれました。2.中島詩織『ロールキャベツ系』日本女子体育大学時代からユーモラスな笑顔で踊っていた彼女は、社会人になってもそのスタイルはますます磨きがかかり、魅惑的なダンスを披露してくれました。最後にはお客さんを舞台に引っぱり出すサプライズで幕となったのでした。続いた竹之下たまみは、冒頭にマドモアゼル・シネマが誕生した1993年に起きた出来事をスライドで紹介。Jリーグ開幕・皇太子殿下と小和田正子様ご結婚・細川護熙内閣発足・田中角栄死去・レインボーブリッジ開通・新幹線のぞみ運行・ドーハの悲劇・・・・・。1993年は確かにいろいろなことがあった年でした。
3.竹之下たまみ『こんなオトナですみません』
その頃16歳の高校生だった彼女は今、朝早くから働きながらダンスに打ち込んでいますが、生きてきた人生の中で納得できないことには抗っていく想いを籠めた「闘争宣言」のような激しいソロを見せてくれました。
そして、ダンスの中で聴こえてきたのはなんと竹原ピストルが唄う「ファイト!」(中島みゆき作詞・作曲)でした。
「ファイト!闘う気味の唄を 闘わない奴らが笑うだろう ファイト!冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ」4.豊永洵子『tuberosa』つくば大学を卒業後、イスラエルなど海外各地で数多くのダンス経験をしてきた彼女はいま、名古屋の大学でダンスを教えながら独自の活動を展開しています。前にマドモアゼル・シネマの一員だったこともあって、今回競演することになったもので、「チューベローズ」という花の名前のついた作品で変わらぬキレのいいダンスを踊ってくれました。
4人4様の作品でしたが、それぞれの特性を生かして作品を創るマドモアゼル・シネマで鍛え抜かれてきただけに、ソロになってもその体験に裏打ちされたダンスで、見応えある競演となりました。
マドモアゼル・シネマの次の公演は9月1日と2日です。題して『バッドガール・ララバイ』。またどんな世界を見せてくれるのか、楽しみにしていて下さい。(記:伊藤孝)