1987年以来、チベットに通い続けてきた作家・渡辺一枝さんの写真展が今、2階ギャラリー【ガーデン】で開かれています。
最初は「チベットの仏教寺院を訪ねる」ツアーから始まった旅でしたが、一枝さんはチベットの人たちの表情や暮らしぶりに魅かれ、その後は馬で奥地深くまで訪ねる旅を続けてきました。その時々に撮った写真は膨大な数になりますが、今回は新たな写真集「ツァンパで朝食を」の発刊を記念しての展覧会です。
会場には大きく引き伸ばしたものから、チベットの人びとの笑顔や暮らしぶりを捉えた多くのシート写真とともに、バター茶を作るなど暮らしのための道具や仏具、人形なども展示されていて、会場はチベット一色の世界が拡がっています。展覧会初日の24日(土)には、ギャラリートークも開かれ、一枝さんのチベットとの出会いや旅で感じたことなどのお話をして、詰めかけて多くの方が熱心に耳を傾けていました。しかし、今のチベットは鉄道が開通するなどの影響で中国化が急速に進んでいて、チベット文化の魅力が失われていく危機にあって、一枝さんの悩みも深くなっています。この写真展、6月2日(日)まで開催しています。ぜひガーデンにお立ち寄りになって、ゆっくりとチベットの空気に触れていただければと思います。なお、6月1日(土)の午後4時から2回目のギャラリートークがあります。ふるってご参加下さい。(記:伊藤孝)