現在2Fガーデンでは3年ぶりに日本具象版画展など多数の受賞歴のある高橋誠さんの個展「アマルコルドvol.2.5」が開かれています。
高橋さんは当初は版画家として活躍していましたが、近年はさまざまな画材を使ったタブロー画に挑戦、エッチングの手法も生かしたりしながら重層的なコラージュ作品や日本画の色調を生かした作品など表現方法を開拓、深化させてきています。会場には、前回にもあったようなアコーディンを弾く人や空中を浮遊する人を描いたものから、緻密なコラージュしたザクロなど果物の作品があるなど30余点が展示され、ほのぼのとした空気が流れています。「私の絵画は、具象画です。写実を目指している訳ではありません。想像画、イメージ画を主に描いています。長い時を経て歪んでしまった記憶や妄想に、形を与えられたらと思うのです。そして、その作品が人の心の琴線に触れて、何らかの感情や感覚をさざ波のように見る人に思い起こすことができたら良いなあと思っております。」 高橋さんは制作に励む一方、当画廊でクロッキー会や個展、グループ展を開いてくれている吉田卓史君らが学んだ東洋美術学校をはじめ各地のカルチャー教室などで絵画指導にもあたっており、会場には教えを受けた人たちも多数来訪、絵画談義に花を咲かせています。展覧会は18日(月)まで開催していますので、皆様にもぜひ会場にお出でいただき、一点一点じっくりとご覧になって高橋さんの絵画世界を楽しんでいただきたいと願っています。(記:伊藤孝)