6月も続く「セッションオンライン劇場」

6月に入りセッションハウスではダンス・クラスも受講者を予約制にするなどの対策をしながら再開しましたが、ダンス公演の方は6月いっぱい「オンライン劇場」での活動を継続していきます。

4週目となった一昨日の6日土曜日には15時からは熊谷理沙さんが、20時からは神田初音ファレル君が登場、若い2人がそれぞれの持ち味を発揮したダンスを発信してくれました。

15時からの熊谷理沙さんは早くからセッションハウスでも活動してきたダンサーで、今は黒田育世さんが主宰するカンパニー「バティック」に所属する一方、ソロダンスなどに挑戦しています。「オンライン劇場」では「Fallen fish」と題した作品を披露してくれました。絵を描くことも大好きな彼女は、舞台でもパステルを手にしたシーンも入れてその後は激しダンスを見せてくれました。

踊りで汗をかいた後は、フォロアーから寄せられた質問に答えてとトークの時間。小学校の先生になりたいという想いをダンスをやっていきたいという想いの間で揺れ動いた気持ちなどを赤裸々に語ってくれました。

司会はいずれの回もマドモアゼル・シネマの中島詩織（愛称シーちゃん）が務めて、ダンサーと視聴者の間をつないでくれています。

続いて20時からは神田初音ファレル君が、キーボードやボールなどを駆使して音を出す鈴木勇士君との見事なコラボレーションで、熱い想いを込めたダンスを踊ってくれました。題して「踊る＃」セッション。

アフター・トークも2人並んで、作品に込めた想いを語ってくれました。彼らが作品で伝えかったのは、シリアで殺害されたフリー・ジャーナリストの後藤健二さんや先頃アメリカで黒人のジョージ・フロイドさん事が警官に殺された事件など、世界に拡がる差別に基づく理不尽な出来事への怒りの想いを込めて踊ったということを縷々語る時間となりました。そして最後に初音君がダンスすることの意義を込めて紹介したのは、かつて公民権運動の中でキング牧師が語った「沈黙は暴力だ」という言葉でした。

若いダンサーがダンスにこめた想いがそれぞれ伝わってくる劇場になったように思います。「セッションオンライン劇場」、来週13日の土曜日は、15時からは清水美沙都さんが、20時からは望月崇博さんが登場します。若さとオンラインならではの工夫をこらしたソロダンスが続きます。ご期待ください。（記：伊藤孝）