大学生ダンサーたちの合同公演「UDC」体験者で卒業後も踊り続けている者たちが単独公演に挑むシリーズ「未来ダンス」の第1弾と第2弾が28日(土)と29日(日)にオンライン同時配信で行われました。企画監修の伊藤直子が、パンデミックという事態の中で考え感じたことを基にした作品創りをとの求めに応えた創意あふれる舞台が相次ぎました。

28日の第1弾はお茶の水女子大学舞踊教育コース出身の甲斐ひろなと伊藤まこと。『ぱらいそ(ポルトガル語で楽園の意)』と題した作品で、演劇的な要素やユニークな映像(菅野歩美)とユーモラスな会話音などを駆使したダンスを見せてくれました。


「2020年、生活様式は一変し、非常事態が日常になり、人と人との間にアクリル板が置かれ、自宅が仕事になり、“境界”のあり方は揺さぶられてきました。“境界”に立たされ毎日のうだつのあがらない“日常”から救い出してくれる“楽園”として創作しました。」




続いて29日には第2弾として大東文化大学出身の小林萌と渡邊華蓮が登場。『ON AIR』と題した作品で、三脚を付けたスマホ・カメラ13本が林立する中、どこかレトロな感のするポップ音楽が流れる中、時には映像(及川菜摘)をバックにカラダの微妙な動きを駆使した切れ味のいいダンスを見せてくれました。

「オンライン時代の今日、私たちは、誰と接触し、何を食べ、どこへ行ったのか。全てを把握され、記録される。権力による監視に抵抗しつつも、他者に覗かれることに依存し続ける私たちは何を求めるのか。今日も私たちは通じ合える誰でもない誰かとの繋がりを探し漂う。」



この公演は1週間アーカイブで配信していますので、ご覧になりたい方はセッションハウスのHPでご案内していますので、アクセスしてみて下さい。
なお、この「未来ダンス」は9月24日(金)、25日(土)、26日(日)に予定しており、若さいっぱいのダンサーたちが続々登場しますので、ご期待下さい。(記:伊藤孝)