有観客+オンラインで実施している「未来ダンスプロジェクト」は、9月24日(金)から26日(日)にかけて日替わりでUDC体験者による3作品が上演されました。大学を卒業しても精力的に踊り続けている若いダンサーたちの創意工夫された舞台が続く3日間でした。
1日目の24日に登場したのは、お茶の水女子大学出身の清水美紗都さんのトリオ作品で題して『Lifein a BUBBLE』。大きなビニールを舞台いっぱいに使ってのパフォーマンスが展開する舞台でした。

演出‣振付:清水美紗都 出演:稲葉由佳利、新名カレン、清水美紗都
「Life InA BUBBLE」は英語の慣用句で、同じような考えの人達の中で心地よく暮らすという意味です。「井の中の蛙、大海を知らず」の意に近いでしょうか。コロナ禍、欧米では自分の身近な人達=自分のバブルに入れる人達は誰か、というトレンドになりました。この話に着想を得て、バブルの中で暮らす異星人を描いたみたいと思いました。」(清水美紗都)

続いて2日目の25日に登場したのは、日本大学芸術学部出身の柴田美和さんのデュオ作品、題して『その骨の、体温の』。カラダのさまざまな動きを見せてくれる舞台となりました。

演出・振り付け:柴田美和 出演:柴田美和、内山絵海

「細胞が止まる事なく体を作り変えていく。この街も。変わりゆくこの時代、この街、この身体。全ては途中にあって、未完成のまま、不確かなものと確かなもの。ただそこに私たちは存在している。」(柴田美和)


そして最後の3日目の26日に登場したのは、京都造形芸術大学出身の宇野愛生さんの作品で、パフォーマー2人のほか映像作家や写真家、書家らが参加して、「夢か現か幻か」」と思わせる不思議な時間が過ぎていきました。題して『死んだ眼は瞬きを求めた』。

演出・振付:宇野愛生 出演:宇野愛生、加藤存美 音楽:SOOZOO 映像:福岡想 写真:藪木七海 書家:雅蓮
「私にはここはあまりにも遠く、ここに至るまでの時間は永遠ように感じ、絶望しました。家の中に押し込められた肉体に閉じ込められて私の幽霊で、初めて人を恨み、憎みながら世界と向き合いした。その人の災難、その人の不幸、その人の苦しみ、その人が後悔すること全てを望みました。もしこれらの願いが叶ったならば、きっと私の肉体はもう私の幽霊を留めてはおけないでしょう。叶わなかったから、現在ここにいます。絶望ははじまりであり、灯火が消えたけではない。だから私は今もこうして幽霊とリンクたこの肉体で瞬きを求めるのです。」(宇野愛生)

3種3様の連鎖で多様な創造のあり方に思いを馳せる3日間でした。これはそれぞれ公演終了後も6日間オンラインのアーカイブで見ることが出来ますので、ご覧になっていな
い方はアクセスして下さい。その方法やセッションハウスのHPでご案内しています。(記:伊藤孝)