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「家族の今昔物語」の第3弾、鯨井健太郒作・演出の『アーカーシャのうた』の公演が、13日(土)と14日(日)に3回行われ、戦争の歴史を伝える作品として見る人の共感を呼ぶ舞台となりました。
この作品は第二次世界大戦末期に敗退を続ける日本軍が、兵力不足のため数万に及ぶ学生を戦場に送った学徒出陣者の一人であった鯨井健太郒の祖父・鯨井巌氏が沖縄戦線に行かされ、生と死の狭間をさまよったことを綴った回想録を基に創った作品です。
彼のダンスと野口泉の沖縄舞踊が定方まことの朗読と合唱団(堅田優衣指揮・Noema Noesis ensemble)と三線演奏(鯨井絵里加)が聴こえる中、ダンスで祖父の悲愴な経験を体現していくものでした。
この公演をもって3作品を上演した「家族の今昔物語」の終幕となりました。振付家・伊藤直子の祖母の移民体験を基にした『女は旅である+赤い花・白い花』、家族そろってダンスの世界で活躍してきた笠井瑞丈の一家の歴史を基にした「喜びの詩」、そして今回の祖父の戦場回想録を基に創った鯨井健太郒作の『アーカーシャのうた』で、それぞれの家族の歴史を伝えるものとなったように思います。ご覧いただいた方々にあつく御礼申し上げる次第です。(記:伊藤孝)
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